ケータイ小説 野いちご

鷲高の王と囲われ司書



ほんと、矢吹くんって一体何者なんだろう‥‥と、改めて思う。
彼の書いた紙きれ1枚で、ここまで全校生徒の態度が変わるなんて。

(‥‥って、なんか私、矢吹くんのことばっかり考えてる!!)

あの日以降、矢吹くんは頻繁に図書室にやってくるようになった。

キスの一件もあって、私は彼が来るたびに身構えていたけれど、矢吹くんのほうは何も気にしていないように、「おう」と右手を挙げながら、いつもふらりと現れる。

そして、何をするでもなく、図書室の椅子に座ってマンガ雑誌を読んだり、スマホをいじってだらだらしたり、眠ったり。

私も何を話しかけていいかわからないし、細々と自分の仕事をしながら、横目で矢吹くんの様子を窺う日々を続けていた。

(‥‥何考えてるのか、今一つ掴めないんだよなぁ‥‥)

そんなことを考えながら歩いていたら、勤務開始も迫ってきたので、急いで図書室に向かった。



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