ケータイ小説 野いちご

鷲高の王と囲われ司書



「‥‥とにかく、あれ貼っときゃお前に手出す奴はいなくなる。だから辞めずにちゃんと学校来いよ」

学校来いって、私一応先生なんですけど!?‥‥と思っていると、反論する間もなく、矢吹くんは図書室の出口に向かって歩き出した。

と、思ったら、急に立ち止まって踵を返し、またずんずんと私の方に向かって引き返してくる。


「‥‥とりあえず、前金もらっとくわ」

「え‥‥」

何のこと、と声を出す間もなく、
息をするように自然に、矢吹くんが私の唇を塞いできた。

初日のあの日が脳裏によみがえってくる。

固まって何もできずにいると、矢吹くんは唇を離してふっと笑った。

「‥‥また来週な、センセイ」


そう言い残して、矢吹くんはさっさと図書室を去っていった。


「え‥‥えぇぇぇぇ‥‥!?」


一人残された私は、混乱してうまく働かない頭を抱えて、ただしゃがみ込むしかなかった。




< 41/ 218 >