「果乃!お昼食べよ!」

4時間目が終わると、すぐに夏子がやってきた。

「うん、食べよ食べよ」

千景くんが佐藤くんと教室を出て行ったのが見えた私はひっそりと夏子に話をする。

「昨日のことだけど」
「花山となんかあったの?あいつ名前で呼んでたし!」

「実は…たまたま花山くんのバイト先に行ってしまって、そこから喋る感じに…」

「バイト先にたまたま行ったのもすごいけど。それだけどあんなんなる?」

「で、その、友達になってって言われて。」

「へえ、あの花山がね。」



なんか考えごとをしている、夏子。




「あー、まあいいや。

で、果乃はどうなの?」

「私?」

「もし、果乃が花山に気があるとしたら、矢野のことははっきりさせといたら?」

「そう、だよね…」

矢野くんはずっと私に優しく接してくれている。友達からって言ってくれたけど、それは自分がずるいと思う。

「私、今行ってくるよ」

「うん、いってらっしゃい」

あんまり時間がない昼休み。矢野くんにちゃんと会って話さなきゃ。