3年のクラス替え。

もう残されたチャンスは1回しかない。
もう心の底から祈り倒した俺は、クラス替えのボードを見た。




…中川 果乃


あった…


ずっと前から大好きだった中川さんと、念願の同じクラス。
嬉しくて、誰かにこの幸せ伝えたい!って、そんな気持ち。


「千景〜、よかったじゃん」

佐藤晴人は爽やかな笑顔でそう言った。

「うん」

「頑張れよ、応援してる。」

「ありがとう」

「でもさ、千景、あんまり時間はないと思う」

「え?」


「中川めっちゃモテるから。俺が知ってるだけでも結構好きなやついるし」

「そっか…」

恋愛未経験の俺を更に戸惑わせるような情報。頑張らなきゃいけないよな、うん、頑張ろう。そう心に誓った。