すると、真由が中から出て来たのだ。


「バレてた?」


そう言ってペロッと舌を出す。


「香水の匂いでバレバレ」


「ごめんごめん。偶然愛が小林君に呼ばれるのを見ちゃって、ついてきちゃった」


そんなことだろうと思った。


でも、バレたのが真由でよかった。


他の生徒なら、あたしと晴が付き合い始めたと噂を流しかねない。


そうなるとすぐに晴を売ることもできなくなってしまうから。


「ビックリするでしょ」


そう言って文句を言うと、真由は笑顔を向けて来た。