────チクン。 胸の奥の方で、トゲが刺さったような小さな痛みを感じた気がした。 私が高峰くんに恋をすれば、私とジロはまた対等になる。 そうすれば、またジロの隣を歩くことができるんだよね? 同じ景色を見て、きっとまたバカみたいに笑い合うことができるよね? ……これでいいんだよね? 漠然とした不安に蓋をして、私は無理矢理笑顔を作ってみせた。