「……でも、転校初日だし」

「お前に関係ねぇだろ」



慣れない教室は心細いだろうなぁとか。


困ったことがあったら力になれるかもとか。


せっかく隣の席なんだし、仲良くなりたいなとか。



「……気安く話しかけてくんな」


今、そんな私の気持ちを全部、全部、拒絶された気がした。


私からふいっと目を逸らして、佐倉くんの視線はすぐに窓の外へと向いた。

自慢じゃないけど、これでも私、友達を作るのは得意だし男子とも割と仲がいいんだよ?


……だから、転校生が来るって聞いた時は、仲良くなれたらいいなって思ったのに。


───なのに。


でも、分かってる。
私って多分、少なからずお節介なところがあるから。

きっと、佐倉くんにとっては”ズカズカ人のテリトリーに踏み込んでくるな!”みたいな気持ちになったんだろうな。


「お節介でごめんね。だけど、人の親切をそんな言葉で突き放すのはどうかと思うよ?」

「……っ」


少なからず、私は少し傷付いたよ。
だけど不思議と諦めようとは思わない。

今でもやっぱり、佐倉くんと友達になれるといいなぁって思ってる。