「無理すんなって」 煌くんがあたしの頭をグイっと自分の肩に引き寄せれば、そんな我慢の糸もすぐに切れてしまう。 「マジで寝ていいから」 まるで、いつもと逆。 心地のいい揺れと、温かい煌くんの体温に安心して。 「……煌……くん……」 無意識に、シャツの胸元をギュッと握っていた。 「……っ、」 煌くんが驚いたように声を漏らしたことなんて知らず…… 今日は、あたしが夢の世界へと旅立ってしまった。