「陽ちゃーーん!あーーそーーぼーー」
「うん!」
俺の名前を明るい声で呼ぶ。
その声が愛しくて、
俺と巳羽が出会ったのは保育園の頃だった。 
ある日いつものように外で遊ぼうとしていたら
一人の女の子が泣いていた。
「どうしたの?どうして泣いているの?」
「う‥うしゃぎさんが‥倒れてるの~
 早く‥気づいて‥あげられたら‥」
もうその頃から俺の中に秦岬巳羽という人物が
インプットされたのかもしれない。
「大丈夫だよ。うさぎさんもきっとお空で僕らのこの事
 見守ってくれてるよ。だから僕らは泣かないで笑おう!