「戦争って、何のためにあるんですかね…」

俺は震える声で、伊達先生に訊ねる。

たとえ戦争に勝ったとしても、手に入るものなど何もない。深い傷跡と、誰かの悲しみしか残らない。なら何故、人は争うのだろう。

「俺たちにできることはーーー」

伊達先生が、俺の頭にポンと手を置く。大きな温かい手…。

「過去を学び、過去を知り、未来につなげていくことだ…」

その言葉が、いつまでも俺の胸を離れなかった。