「キャー!」


ビクッ


廊下から聞こえて来た歓声に、思わず体が反応した。毎日のことなのに、何故か無意識に反応しちゃう。




「相変わらずだね、あの二人」




愛依が廊下の方を向いたから、私もそれに倣って廊下の方を向いた。


そう。
毎日女子の歓声を浴びるのは学校中の女子から大人気な学校で一番のイケメンと言っても過言ではない王子二人。




一人は桐ヶ谷叶斗。
クールで無愛想な感じが女子の心を掴んでいるらしい。


もう一人は桐ヶ谷くんの親友で、成瀬光大。
桐ヶ谷くんとは違い、女子に優しくて爽やかな笑顔で女子を魅了している。




二人とも遅刻・欠席は当たり前のヤンキーなんだけど、とても人気がある。



確かにイケメンだとは思うけど、ヤンキーとか嫌いだからどうして女子が興奮しているのか分からない。




「愛依は興味ないの?あの二人に」




他の女子がどれだけ騒いでいても、愛依は騒がないから興味ないのかと思っている。




私が聞くと、愛依は全力で首を横に振った。



そんなに必死に否定しなくても。



「ないない!今は彼氏一筋だよ!」



きっと、愛依の彼氏は幸せだろうなぁ。こんな可愛い子に好きになってもらえるなんて。




でも彼氏には悪いけどきっとあの二人と愛依が会話しているだけでも凄く画になると思う。



まぁ、絶対に言わないけど。