「ええと、はい」

 ルームシェアには違いないしと、名取さんに笑いかけて隣に視線を移す。営業マンと同期の小柄な金髪女子は、残り少ないらしいパックのミルクティーを音を立てながらすすっている。

 板倉さんも、社長と新庄さんがヨリを戻したと思ってるだろうしな……。そう考えながらふと気づく。

 そういえば社長は、なんで新庄さんのご両親に挨拶なんて……。

「本当に大丈夫なわけ、そのルームシェア先」

 ふいに名取さんに顔を覗き込まれて、ぎょっとする。慌てて体を引くと、思いがけず彼は私を追い詰めるように一歩前に出た。

「変なヤツだったりしない? ていうか、もちろんルームメイトは女だよね?」

 予想だにしなかった敏腕営業マンの追究姿勢に、声が詰まる。

「え、ええと」