一緒に晩御飯でも食べようと
勇さんがお店を予約してくれていたので
そのお店で落ち合うことにした。


高級割烹料理のお店【竜宮】


お店の前で母は
「何?こんな高価なお店
そんなお金持ちの人なの?」


「お金持ちといえばお金持ちかな?」


「うーんっと年上の人?
それなら困るわ
娘の旦那と私たちが
歳があまり変わらないとか
ご近所の人に何言われるか」


母の想像力は豊かだ。


「待って!誰もそんな年上だと
言ってないでしょ
勝手に想像しないでよ」


「そーなの?」


お店の外にいた私たちは
中で待っててと言われてたので
入ろうとした瞬間
ベンツがお店の前を通りかかった。


「あっ。。。来た彼だ」


「えっ?」
母は車を見てまた驚いた。


「ちょっとおーあんた
ヤバ系の人と付き合ってんの?」


若くてベンツときたら
それ系の人だとまた勘違い。


「ヤバ系?
あ〜ある意味ヤバ系かもフフフッ
中に入って待とう」


中で予約の
山本だと言って席へと通してもらった。


いつもこんなお店に行くときは偽名
山本を名乗るのだ
どこに週間雑誌記者がいるか
わかんないしね。


「母さん緊張してきたわ
どんな人が現れてくるのかしら
お金持ちのボンボンだったら
うちとの釣り合い合わないから
向こう様に反対されて
惨めな思いするわよ」


「母さん!誰もまだ結婚するとか
言ってないでしょ
もぉーさっきから勝手に想像しないでって」


ガラガラ
個室の扉が開いた。


勇さんは一礼して中へと入ってきた。


「え。。。。。」
母の一言。


それ系を想像していからなのか
ちゃんとした身なりの勇さん目の前に
え。。。しか言えてない。