「スペインにポルトガル……。大航海時代に新航路の開拓を争っていた国同士ですね」

俺がそう言うと、恋雪の目が輝く。

「あっ!言われてみればそうだね!有名な航海者はーーー」

「ストップ!!」

恋雪が口を開きかけると、横から相太さんが止める。何事かと俺と凪沙は相太さんを見つめた。

「せっかくだから、座って話そう。恋雪は世界史は得意だしね」

こうして、俺と凪沙と恋雪と相太さんで、大航海時代の話をすることになった。



「大航海時代って、コショウとかアジアの産物を手に入れるために始まったんだっけ?」

凪沙がそう言うと、「まあ、そうだね」と相太さんが頷く。

「そのころアジアでは、活発な防疫活動が行われていたんだ。ポルトガルは、西アフリカやインド・中国などの港町を次々と支配して、アジアの貿易に参加したんだよ」

次に恋雪が口を開く。

「中学で登場した有名な航海者は三人。コロンブス、バスコ・ダ・ガマ、そしてコロンブスだね」

俺は黙って恋雪の話を耳を傾ける。世界史は恋雪の得意分野だから、俺よりも詳しいことを知っているはずだ。

「イタリア出身のコロンブスは、1492年にスペインの援助を受けて大西洋を横断し、インドを目指したんだ」

「だけど、辿り着いた西インド諸島は、インドではなかったんだよね」

俺がそう言うと、恋雪は「うん」と微笑む。普段、恋雪や凪沙ってこんな感じで俺の解説聞いてたのか…。