「俺だよ俺ー」



そう言って笑うのは南里くん。



「なんだ、南里くんか」


「おいおい、なんだとはなんだよ~地味に傷つくな~」



良かった……でもよくない。


南里くんが暴走族でそのトップとかまだ理解できないんだから。


しかも、昨日あたしをあそこへ連れて行った挙句、ひとり残して出て行っちゃったし。


これは怒ってもいいよね?



「……南里くんひどい」


「ははっ、そう怒るなってー」



拗ねてるあたしを見ながら、笑いながら大丈夫だった?なんて聞いてくる。



「……なんで言ってくれなかったの?」



言いそびれたとかも絶対嘘だよ。



「んー?だってさぁほら~色々とさぁ~」



なんてのんきに明後日の方向を見ている。


南里くんって、こういうとこあるんだ。

16年幼なじみをやってても、なんかつかめないの。