親切にしてくれたかと思いきや、俺が「仲良くなりたい」って言ったら、「私は別になりたくない」と断られる。


だけど、おとなしそうに見えて、そうやってはっきり言うところもまた、いいなって思った。


助けてくれた時もそうだったけど、芯がしっかりしている子なんだろう。


今まであまり俺の周りにこういうタイプの子はいなかったので、新鮮だった。


でも、そんな一見クールに見える彼女にも、意外な一面があって。


俺が時々わざとからかうようなことを言うと、顔を赤くして、照れたような反応をする時がある。


そして、大好きな本の話をしはじめると、急に熱くなって、いつになく饒舌になるんだ。


その普段の姿とのギャップがまた、たまらなく可愛くて。


彼女のことを知れば知るほど、俺は夢中になっていった。


もっと雪菜のことを知りたいと思った。近づきたいと思った。


どうしたらもっと話してくれるんだろう。俺に興味を持ってもらえるんだろうって。


気が付いたら毎日、彼女のことばかり考えていた。


正直、自分からここまで女の子に夢中になったのは、初めてだった。