「俺はこれから仕事に行く。美和のことはここのメイドに任せてある。」


「うん。」


「学校遅刻するなよ。俺は今日、会社に泊まる。明日、学校でな。」


えっ?


先生の顔が近づいた。


「いい子にしてろよ?」


そう耳元で言われたと思ったら、先生の唇が私の唇に触れた。


キス、された?


「なっ何するのよ!」


先生は私に、またあの意地悪な笑みを残して家を出て行った。


「先生のバカー。私のファーストキス。」


はじめてだったのに。


私の頭の中は、パニック状態だった。


ただ、ひとつだけわかったこと。


それは、先生なんて好きにならないってこと。