「直也さん。こちらは私と同じ会社の三浦裕一郎さんです」

 ふゆみが俺を紹介したので、俺は「初めまして」と言って"直也さん"にお辞儀をした。

「三浦さん……」

 うっ。芝居と解ってはいるが、ふゆみにこんな呼ばれ方をされると堪えるなあ。

「こちらは四葉グループ、七代目総帥の神徳直也さんです」

 へ? 四葉グループ? 総帥?
 こんな若いのに? 嘘だろ?

 俺は驚き過ぎて、目の前の男がお辞儀をしたのかしないのかも、分からなかった。

 神徳直也は、鷹のそれのような攻撃的な目で俺を睨み、またもやフッと笑った。俺は、

『君の出る幕ではない』

 と言われた気がした。あるいは……

『不合格!』と。