警察署の前で2人と別れると、私は歩き出した。

「さて…」

陽葵ちゃんは無事だけど、私の方は無事じゃない。

昼休みの田原の件が心に引っかかっているのだ。

この問題は、一体どうすればいいのだろうか?

田原が持っている以上、それをネタにして脅されるのは時間の問題だ。

「理京さんに報告した方がいいのかな…?」

どうしたもんじゃろかと言うように両腕を組んでみたものの、答えは何も思い浮かばない。

話しあいを試みた方がいいのだろうかと思ったけれど、それでいい結果が出るのかどうかと聞かれたら難しいところだろう。

「本当に、どうすればいいのかしら…?」

私の呟きに答えてくれる人は、当然のことながら誰もいなかった。