ケータイ小説 野いちご

腹黒王子のいいなり。



それが終われば唇が離れ、ふたりの視線が交わる。


温かい気持ちが胸いっぱいに広がって、自然と笑みがこぼれた。

私につられるかのように菅原も笑って。
なんだか幸せだなって、素直に思った。


「お前、やっぱり笑ってるほうがいい」
「え?」

「誰よりもかわいい気しかしない」
「な、何言って……」


ふざけてる感じはなくて、穏やかな表情のまま話すものだから、余計に冗談なのかどうか、わからなくなってしまう。


「かわいすぎて無理」


菅原が私の頬を撫でる。
無理って……私のほうが恥ずかしくて色々限界だ。

甘い、菅原が甘すぎる。


「なんか今日の菅原……甘い」
「今日のお前のほうが、いつもと違うけどな」

「いつもと違う……?」
「今のお前のほうがいい」


そう言って菅原は私を抱き寄せた。
あっという間に、菅原の腕の中に収まる私の体。

もちろん動こうとは思わず、抱きしめられたまま、私はじっとしていた。


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