他の男子と話していた菅原だったけれど、話が終わったようで私たちの元へとやってきた。


「どうしたの?」
「もう解散らしいから、帰ろう?」


いつのまにか解散していたらしく、周りを見渡せば、何人かがすでに海辺を後にしていた。



「えっ、いつのまに解散してたんだ!?」
「今さっき、先生が解散だって言ってたよ」

「マジかよー!じゃあとりあえず、ひなこちゃん一緒に帰ろうぜ!」



いや、とりあえずじゃないから。

野村は菅原の言葉を聞いて、ようやくひなこに視線を向けた。



「う、うん……大丈夫だよ」

ひなこは優しいから、戸惑いながらも頷く。
もちろん野村は、尋常じゃないくらい喜ぶわけで。



「よっしゃぁぁ!勝ち組!!」
「……悠、うるさい」


さすがの菅原も耳に響いたらしく、眉をひそめてうるさいと言い放った。