「夕美ちゃん……」
「ど、どうしたの?」

「夕美ちゃんが笑った……嬉しい!」


なぜかひなこは嬉しそうに笑う。
嬉しい……のは、どうして?



「えっと……」
「夕美ちゃん、もっと笑ったほうがいいよ!かわいい!」


ひなこが私を見て、目をキラキラと輝かせている。


「そ、そうかな……」

でもうまく笑えないんだよね。

反応に困っていると、担任の先生がタイミングよく口を開いた。


「ほらー、早くしないと時間押してるぞー?
3時には解散するんだからな」

「えー!あと1時間もなくねっ!?」
「バーベキュー、思ったより時間がかかったもんね」



そのおかげで話が変わり、それ以上私に視線を向けられることがなかった。