だから優香はいつも言う。「笑ちゃんが運動神経いいところ羨ましい!」って。


もちろんそう思ってくれるのはうれしいんだけどね!?

わたしからしたら、優香のほうが羨ましいところばかりだよ!?
可愛いし気遣いできるし女子力高いし料理できるし絵上手いし頭いいし。
優香はテストの順位が学年で30位台で、あと少しだけ頑張っていたら、もしかしたら特進クラスだったかもしれない。
でも、そうしたらわたしと友達になっていなかった可能性が高いから、きっと神様がわたしと優香を引き合わせてくれたんだと思う!!

わたしがこのあいだそう言ったら、「笑ちゃん大好き!!!!」と抱きつかれてしまった。
わたしはどうやら優香からかなり好かれているらしい。
わたしも優香のこと大好きだけどね!!!!



──午前の部がもうすぐ終わる。

今のところわたしたちのブロックは、2位だ。

1位になれるチャンスはまだまだある!!

午前の部の最後の種目がなんと100メートル走。

わたしは「よし!」と気合いを入れて立ち上がった。

「笑ちゃん頑張って~!!」
「笑、1位狙えよ~!!」

優香と竜に見送られ、わたしは出場する場所のうしろにある待機場へと移動した。