本気で自分の誕生日を忘れていたから、いったい何事かと驚いた。
だけどすぐに思い出して、ふたりの心遣いに泣きそうになった。
「優香~!竜~!ありがとう!!!!」
こんなふうに学校で祝ってもらえるのなんて、はじめてだ。
もうほんとふたりともだいすき!!!!
優香がフォークを使ってホールケーキを3等分に切り分けて、用意してくれているお皿に丁寧に乗せていった。
「おいしそう~!!」
ケーキを食べるのはお父さんの誕生日以来だ。
あのときはショートケーキを食べたけれど、わたしはショートケーキよりもチョコケーキが好き。
ふたりとも、わたしの好みよく知ってる!!
「いただきますっ!」
あーんと大きな口にチョコケーキを運んだ。
「ん~めちゃめちゃおいしい!!」
「笑ちゃん、これプレゼント!」
わたしと竜はケーキをパクパクと食べ進めているけれど、優香は一旦フォークを置いたかと思うと、カバンのなかから綺麗にラッピングされたプレゼントをわたしに差し出した。
「え!?くれるの!?」
ケーキ用意してくれたのに、プレゼントまで!?
「開けていいっ??」
「もちろん!」
優香はうふふと楽しそうに微笑んだ。