社長は何を言っているのかわからないと言うように、首を傾げた。

「あの、嫌でしたか?」

自分はいつも同じようなことをしているのに…と思っていたら、
「嫌じゃないよ。

むしろ、気持ちがよかった」

社長は言った。

「そうですか」

そう返事をした私に、
「君に触れられているから、嫌な気持ちはしないのかもね」

社長はそう言い返すと、甘えるように髪に顔を埋めた。

まるで猫みたいである。

いや、どちらかと言うと犬かも知れない。

そんなことを思いながら、私は彼の髪をなでた。

「――ッ、んっ…」

感じていると言うように、社長が声を出した。

髪の毛は性感帯の1つだと、どこかで聞いたことがあった。