「……っ、ごめんね。
まだ見つからないの、みんなダメだって」
「みゃー」
平気だよって、言っているように見えたけれど、本当は辛いはず。
ずっとひとりぼっちだもんね。
「どうすればいいの……」
この時の私は未熟だったから、飼い主を見つける以外の方法を知らなくて。
ひとりで泣いていたら、突然。
「何してるの?」
誰かに声をかけられた。
パッと顔を上げてみれば、そこには他校の制服を着た男子が、黒い傘をさしながら立っていた。
その制服は、私の通う北中学の近くにある南中学のもので。
ここの近くに住む人なのかな?と思った。
だとしたらミイの存在も知っている?
だけど見たこともない顔。
雨と傘が邪魔をして、うまく顔がわからなかったけれど、視界が悪くてもわかるくらい、その男子は大人びた顔立ちをしていた。