「みんなが見ているから」
倉庫に入ってからずっとあたしたちを興味しんしんで見ている下っ端君たち。
ああ、恥ずかしい。
「和佳菜」
「なに、仁」
上を見上げれば二階から顔を出す仁の姿があった。
「消毒する。来い」
来いって、あたしは犬ですか。
「本当にこんなの大丈夫だから」
「跡になるだろう。いいから」
「和佳菜さん、これはものすごく珍しいことなんですよ。行ってあげてください」
いつのまにか隣に立っていた陽太がそう口にした。
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