ケータイ小説 野いちご

正直者は死んでしまえ

一回目の定期テストは、その日の五時間目に行われた。

全員が、これまでになく死ぬ気で問題に取り組んだことは言うまでもない。

問題の内容は『マラソン』の様な超理不尽な難易度というわけではなく、中学校高学年程度の少々ハイレベルな数学と国語の問題だった。

この教室の生徒は十二歳~十四歳で統一されており、問題を解く上での最低限の知識はある。

応用問題さえ解ければ満点も理論上不可能ではないだろう。

まあ……ここにいる奴らには半分を取るのも難しいだろうな。

卒なく問題を解いていきながら新二はほくそ笑む。

まあいい。お前らが失点し過ぎてクラス全員が『強制連行』されないよう、最低限俺がカバーしてやる。その代わり、このクラスの支配権は俺がもらう。

凛香を守り抜く為には、それが一番確実だ。『死刑宣告』の権利を常に行使できれば、成績に関係なく凛香を確実に『最後の七人』に入れることができる。

不安要素としては、杉浦がどれくらい高得点をマークしてくるかだった。

以前、新二が彼に小テストの点数を聞いた時は適当にはぐらかされてしまった。

ということは、早い段階で新二を警戒して自分の力を隠していた可能性が高い。

万が一彼がトップになれば、クラスの脅威と認識している竜崎新二を『強制連行』させる可能性も充分にある。


この定期テストは文字通り……頭脳で相手を殺し合う命がけの戦いだった。

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