「女の子にそういうことを言う綾も酷いと思うけどね」 「うるせえ。助かっただろ」 「まあ、それは」 すごくありがたかった。 でも、そういえないあたしは。 「感謝はしてる」 こんな不器用な言葉でしか返せないんだ。 「素直じゃないやつ」 綾がそう笑ったのをそっぽを向いて見ないふりをした。