この場の雰囲気に完全にのまれた私は、コクリとうなずく。


今は試合を間近に控えているサッカー部しか部活をやっていないだろう。


この校舎には、とっくに人がいない。


「もう少しの間、帰さないねぇからな…」


清川先生のあたたかい手が頬に触れて、私は条件反射のように目を閉じた。


放課後の狭い教室で、ただ私たちは恋に溺れていた…。