「そういえばあいつ、どうやって入ってきたんだろう」

ここは、高級住宅地の全20階建のマンションと言うだけあって、セキュリティも万全だ。

「エレベーターに乗る時にはルームキーをかざさないと入れないはずだが」

和佳菜がそうやっていたのだから、わかったことだが。

同じエレベーターに南は乗ってこなかった。

まあ、当然といえば当然だろう。

同じエレベーターに乗れば、俺が倒してるはずだし。

ということは。

答えはひとつしかない。


「南、ルームキー持ってるよな」

でも、南がこのマンションに住んでいるという情報は情報管理担当の悠人からは上がってきてない。



「なんで、あいつ持ってんだ?」