「ちょっ…乱暴だなおい!鳴海、もしかして前よく見えてない?」



「せいかーい!だから、千紘とペアで宣伝に出ようと思ってたんだけど……調理室に行ったきり戻ってこないんだよね。何かトラブルかな、心配…」



「ふーん。じゃあ、手伝ってやんよ」




そう言われて反応する間もなく。


腕を支えてくれて、ゆっくりと誘導されはじめる私。



着ぐるみの隙間から入ってきた明るさが少し変わり、教室内から廊下に出られた事がわかった。




佐々木はちょうど休憩?


…いいのかな、私に付き合ってもらっちゃって。



まぁ、千紘が戻らない限り私はあのまま教室で待機だったと思うから、ありがたいのはありがたいんだけど……。





「こんにちはー、アニマルカフェやってますー。甘いもの揃えてお待ちしてますよー。あ、あのイケメンもうちのカフェにいますんで!」



「えっ、白岡匠くんのことですよね!? そうですよね?」