「お腹いっぱいだし、楽しかったね〜。
柚奈ぁ、今日は本当にありがとうっ巻き込んで心配や迷惑かけてごめんなさい。匠くんにもそう言ったら本当にな、って真顔で言われたよ」



「あはは、そっか。2人にはずーっと仲良くいてほしい!私の癒し…」





目が少しまだ潤んでる千紘。



泣いた痕跡はあるけど、表情はもう晴れやかなものになっていた。



千紘はまたひとつ強くなったのかもしれない。




志麻くんが今日誕生日を迎えたように、私たちは大人になっていく。



これからもいろいろ経験して、立ち止まりそうになるときもどーにかなるもので、ちゃんと進んでいってる。



ちゃんと、動き出せる。




それは友達や家族、周りの人と関わって成長していけるのかな




自分が思う気持ちや考えも大事に向き合っていけたら……いいよなぁ




近くでする心地いいみんなの声を聞きながら、そんな振り返りをして、私は自然と口元が緩むのを感じた。