1人になって残っているラーメンを再度食べるけど、もうすっかり冷めていた。


それでも食べるけど。


残すわけにはいかないから、口の中に入れていく。



あの男を目の前にすると何もうまくいかない。


こんな調子で私は素直に好きだと伝えられるんだろうか。



さっきの……『本当に俺のこと振るのか』という言葉、何なの?


そのセリフを匠が言うのはおかしくない?


むしろ、私の方でしょ。


振られるなら私だよ。


好きと告白するのは私の方なんだから。



あの王様から好き、なんて。


本心からそう言われた子は幸せ者だろうなぁ。



好きな人の好きな人になるって、奇跡のようなものとはよく聞くけど、本当にそうだね。



好きな人からの答えが同じものでありますように、と。


願わずにはいられない。



さっきまで目の前にいた人の席を見ながらぼんやりと考えてしまう私がいた。