「落ち着いて……、落ち着くのよ……。いい……?」


カエデちゃんを落ち着かせてから、マーヤちゃんはゆっくりと手を離しました。

それでもカエデちゃんはひっくひっくと泣き続けてましたが、とりあえず叫んだりすることはなさそうです……。


「いい……? 状況を……整理するわよ……」


マーヤちゃんは息を切らせながら、


「まず……。アミダさまは、ホントウに、いた……。アミダさまの呪いは、ホントウだった……」

「ひっ、ひぃいいい……」


カエデちゃんはまた泣き叫びそうな顔をします。

私は彼女を慰めるかのように強く抱きしめました。


「サクラちゃんは、アミダさまに連れて行かれた……。アミダさまは、悪い子だけを連れていくんじゃない……」

「さ、サクラちゃんが、ホントは悪い子だったんじゃないの……」

「ううん、その可能性はあるけど……。でも、それだと私たちだってホントウは悪い子かもしれない……」

「ひっく……。あたし、こないだ、妹のプリン勝手に食べたよう……。あたし、アミダさまに、連れていかれのるかな……ひっく……」

「カエデちゃん……」


カエデちゃんは私の胸に顔をうずめて、ぐすぐすと泣き出しました。

彼女の鼻水がねっとりと制服に付着しましたが、私はそんなことも構わず、彼女の頭を撫で、慰めました。