「つーか、タメだろ。敬語はいらないから」



でも……。


コクン……さすがにタメは心苦しくて、首だけをたてに下ろした。



「あの……」


「なんだ」


「もう……行ってもよろしいでしょうか」



タメなんて絶対にムリっ。

最大限の敬語を使って言うと。


翔和さんは「どうぞ」と紳士に進路をあけ、あたしを解放してくれた。