教室にも数人しかいなくて、みんな自分の席に座っている。



私も自分の席に座り、準備を始めた後余った時間は両腕を枕みたいにして机に顔を伏せた。



どんな顔して楠木に会えばいいのかわからないし、話すことすらできないと思う。



ならこのまま初めの頃みたいに、全く関わらなかった時に戻った方がいいのかもしれないって本気で思いながら、ゆっくりと目を閉じた。



それから、どれぐらい経っただろう。



だんだんと騒がしくなる教室で、眠ることもできずにずっとその状態でいたら。



「……恵美ちゃん?
寝てる…?」



陽菜の声が聞こえてきて、顔を上げる。



「あっ、ごめん…起こしちゃった?」
「ううん、寝てなかったから大丈夫」



私が笑いかけると、陽菜も安心したように笑う。