「中学の時、お前はずっと頑張ってたんだ。
だからもうこれ以上…お前が苦しむ必要はねぇよ」
楠木の言葉が心に響く。
苦しむ必要、ない…?
本当に?
だって私、楠木に対しても酷いこと思ってた人間だよ?
それなのに、どうして楠木は…あんたは。
そんなことを言ってくれるの?
「でも…でもね、私…最低な人間なんだよ…」
「最低なのはお前じゃねぇ。
俺を含めた、中学のバスケ部の奴らだ。
結局俺も、斗真にあんなこと言っておいて同じなんだよ。お前を一人にさせて、お前を苦しめたんだ」
慌てて首を横に振る。
違う、違うよ楠木。
そんなこと言わないでほしい。
「違う……あんただけでも中学の時、私のことわかってくれてたって知れただけでも、十分だから…あんたこそ、悪くない」
そうだ。
私はずっと一人だと思っていたけど。
理解してくれてた人がいただけでも、十分だから。
今日、この日。
楠木のことを知れて良かったと、心から思えたんだ。