私に気を遣って合わせてくれたのか。



だけど嘘であんな苦しそうに話すこと、私ならできない。



いや、ポーカーフェイスの楠木にとったらそれさえも簡単なのかもしれない。



「……考えたって…」



答えは出ない。



諦めて、ラッピングしたカップケーキを明日渡そうと思った。



そして私は寝る準備をしてからベッドに入る。



昨日今日で楠木と色々ありすぎて、頭がついていかない。



たった二日間の出来事だというのに、気分としては一ヶ月以上だ。



それくらい濃かった、濃すぎた。



最初はただ“嫌い”という感情が私を支配していたのだけど……。



「バスケより、大事なもの…」



あんなにもバスケに対して真剣に向き合っていた楠木に何があったのか。



これも私が考えたところで答えなんて出るはずもなく。



私は諦めて寝ようと思い、ゆっくりと目を閉じた。