ケータイ小説 野いちご

分け合う体温

「あんな事……」

「私達、姉弟だよ。」

すると理人は、私を横から抱きしめてくれた。

「知ってるよ。」

「じゃあ、何でっ!」

「由乃が、好きだから。」


私達は、理人の腕の中で、見つめ合った。

ゆっくり、理人の顔が近づいて来る。

逃げようと後ろに下がったけれど、理人の唇は私を捉えて、離さなかった。

欲情のキス。

唇が離れた瞬間、理人は「好きだ。」と、呟いた。


「私達は、ダメだよ。」

「どうして?姉弟ってだけで、恋焦がれちゃダメなのか?」

「そうだよ。」

「理由にならない。」


私は、泣きそうになるのを押さえて、理人を見た。

理人も、泣きそうになっている。

「理人……」

こんな私に、恋焦がれているなんて。

「もう私に、近づかないで。」

そう言って私は、理人の側を離れた。

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