「変装しないんですね
変装してるっぽい人を探してました」


「逆に変装したらバレるんだよ
堂々としてる方が何故かバレない」


その言葉の通り
きゃー!!!と周りを
囲まれるわけでもなく
時々コソコソっと言われてる程度。


「大変ですね 有名人って」


「オレらの場合は有名ってほど
有名人なわけじゃなくて野球選手だからね
だからさ 芸能人とかと違って
そこまで注目浴びないというか
まっ!普通かな」


「でも熱烈なファンとか
いらっしゃるでしょ?」


「時にね・・・
栄養ドリンクとか色々球団に
送ってきたり サプリメントとか」


「なるほどぉ!
いいですねそれって
買わなくて済むじゃないですかぁ」


「そーだねぇ でもここだけの話
要らないものもあったりするよ」


「そんな時どうするんですか?」


「とりあえず持って帰って
親に送ったり必要な人にばら撒いてる」


「捨てるわけじゃないから
周りの人が喜んでくれるならエコですね」


「エコ?まーそうも取れるなハハハ
それとさ出待ちされることもあるよ
それは勘弁して!っていうも思う」


「出待ちですか???
木山さんって
やっぱりまるでスターですね
アーティストとかが
コンサート会場とかで
出待ちされてるのをテレビで見ますよ
すごいですねぇ!
あたしがそんなすごい人とこんな所
歩いてるなんて不思議です!」


「プッ」と吹き出した木山さん
そして「美結ちゃんって
面白いね 飽きないというか。。。」


「あっ!すみません
偉大な人と歩いてるから
テンション上がっちゃいました」


その言葉にまた木山さんは
吹き出したのだった。


いつも行くという携帯のショップ
もちろんお店の人たちは
しっかり教育されていて
絶対に情報は流さないという
当たり前のことなんだけど
当たり前のことができない会社もある。


うちのホテルもここの携帯屋さんと
一緒で厳しい。


私は店の外で立ち止まり
「これで選んできてください
あたしは外で待ってますから」
とお金入りの封筒を差し出した。