side 実瑠来
「うわぁ…美味しそうっ」
私は今、家庭科実習室を覗き見中。
廊下を歩いていたら、なんだか甘い匂いがして。
その匂いを辿ってきたら、ここに着いたわけ。
ふむふむ。
ん…?
こ、この匂いはっ…!!
「ガトーショコラだー!!」
興奮のあまりに大きい声を出してしまったもんだから、実習室にいた女の子達が一斉に私の方を振り返った。
しまった…っ。
謝らないと!
「あ、あの…ごめんなさ…」
「「実瑠来ちゃんだー!!」」
……へ?
「実瑠来ちゃん、これ食べて!!」
「あ、ズルイ!私のも食べてーっ」
女の子達は、完成したばかりのガトーショコラを私の所へ次々に持ってきた。
えと…。
何が何だか分からないけど…。
「た、食べていいの?」
「「もちろん!!」」
え、本当に食べていいの?
そういうことなら…。
ケータイ小説 野いちご
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