特に距離が近いと、さらにひどくなる。



だから部屋で勉強はなんとしてでも避けたかったのだ。



「ここで、勉強したい…ダメ?」
「……っ、だからその技使わないで」



「技…?」



「あー、もうわかったから。
上目遣い禁止ね、禁止」



どうやら蓮くんが折れてくれたらしく、リビングで勉強を再開することになった。



「ありがとう」



「……お礼を言われると複雑なんだけど。


菜穂が可愛いから何でもいいかってなっちゃうんだよなぁ」



「そ、そんなことは……」



可愛いが口癖だとわかっていても、言われると恥ずかしくなる。