「あーもう可愛すぎたよ菜穂、あんまり可愛いことしすぎないでね」



「え……?」



可愛いこと…?
そんなこと、した覚えはない。



「気のせいだよ…可愛いことなんて、してないから…」



「してるよ本当に。
好きすぎておかしくなりそう」



「そ、そんな……」



好きすぎておかしくなるなんて…あり得るの?
やっぱりその感情は私にはわからない。



どんな気持ちなんだろう。



「ねぇ、今日はもうのんびり過ごそうか。
俺の部屋に行こう」



「え…あ、あの、着替えないと…」



「その時間すらもったいないよ。
ほら、早く」



蓮くんは有無を言わせずに私を離して腕を引き、部屋へと向かった。