ひとつ、私の願いが叶いました。

 芽以は感動しながら、日向子の手を取った。

「ありがとう、日向子さん」

「……いや、なんなのよ、あんた」
と言われてしまったが。

 日向子が、
「かけてみなさいよ」
と強硬に言うので、逸人が、

「なんなんだ……」
と言いながらも、メガネをかけてみてくれたのだ。

 細い黒縁のメガネで。

 めちゃくちゃ賢そうに見えるし。

 ――いや、元から賢いけど。

 超絶、格好いいしっ。

 ――いや、元から格好いいけどっ。

 と思っていたのだが。