「ありがとう…!萌愛!」

「ふふんっ!!そうだそうだ!もっと私に感謝するんだな!」

萌愛は調子に乗ったかのように、威張り始める。

「萌愛様がいなかったら私は、長い長いお説教を受けていました。ありがとうございます。」

「分かればよろしい!」

「「……はははははっ!」」

私たち、口に手を当て笑いをこらえるが、あまりにもおかしすぎて隠しきれていなかった。

辛い時も、悲しい時も、萌愛がいたから今前を向けてる。

そう考えると、とても萌愛に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

こんな私の傍にいてくれるなんて……。

私は、下を俯き足を軽く前後に動かす。

プニッ

「!?」

萌愛は私の頬を、人差し指でつついた。

「凛はまた余計なことを考えてるね!?」

「どうして分かって…!?」

「そんなの長い付き合いだからね!見れば分かるよ!」

そう言い、萌愛は自分の頬を両手で釣り上げ笑顔を作った。
                          
「笑って!凛。凛は笑顔が似合う子だから、笑ってないとあいつが悲しむでしょ?」

私はその言葉に、私は暗い気持ちを忘れようと自分の頬を叩いた。

「ちょっ…!?凛!?」

そして私は両手を頬にもっていき、釣り上げるように笑顔を作った。

「私は、大丈夫だよ!だから、笑顔でいる!」

「……。うん。笑顔でいよう…!!」

そう…、私が笑顔でいなきゃあいつが悲しむ。

だから、笑わなきゃ…!

暗い気持ちを解き放とうと笑う私だった……。

だが、この3年間の間で私の心も限界がきていることを、まだ誰も知る余地もしなかった。