『俺と結婚してください』




夢であってほしかった。



真剣な瞳で見つめてきた彼の姿が、頭から離れられない。



そう。



私は昨日、一人の男子に告白…ではなく、プロポーズされたのだ。



それも、私とは格が違うし、なんなら住んでいる世界が違う相手。



それで罰ゲームとしか考えられなかった私は、空気を読まずに断るという過ちを犯してしまった。



きっと今日もまた、呼び出されるに違いない。



昨日の反応はなんだ、とか数人の男子に囲まれる可能性もゼロではなかった。



どうしようと一人、心の中で焦っていたら、教室のドアが開いた。