「はあ!?」



一斉に多数の叫び声が、夜の街に響く。

「副総長、なに言ってんすか。勝手に一人で決めて」


「総長になにも言ってねえんだろ?」


取り囲む強面ヤンキーさんたちから、そんな声がパラパラと聴こえる。


その中には怒号も聴こえて。


彼らがいかになにも聞かされていないのかも。


彼がいかに不満を持っているかも。


十分すぎるほどに、伝わって来た。


けれど、彼は動ぜず、ずっとBeast を見ている。


まるでここには2人しかいないかのように。