ケータイ小説 野いちご


「まぁ、だよね。
そろそろ終わりにしないと後がきつい。」

燐は白夜と極夜を刃を交差するように構えた。

「白夜・極夜...光闇逆召(こうあんぎゃくしょう)」

白夜と極夜の輝きがフィールドをおおっていた。

やはり と京子はそれを思考の隅にあったため行動は速かった。

燐の目の前に突然京子が現れていた。
燐が考えている間に距離を詰めていたのだ。

「そうは、させませんわ!」

凪を燐の剣の間に叩きつける。
しかし、燐はそれを受け止めもせず緩やかに解いた。

「なっ...」
「あっ、気づいた?」

燐はニヤッと口元を緩め、京子の懐めがけて一閃する。

この燐の言葉を最後に京子は気を失ってしまった。

瑠璃『あっ!千上院選手が意識を失い戦闘不能となりました!

よって、鈴鐘選手の勝利です!』

瑠璃がそう宣言すると周りから歓声が上がった。

燐は安堵してその場に座り込んだ。
流石の燐も少し疲れたようだ。

「燐!よかった。」

直ぐに堺人が駆け寄ってきた。
燐は上を向いて堺人に向けて笑顔を浮かべた。

「勝ったよ」

そう燐は一言だけ言った。
堺人は うん と頷き燐を抱きかかえた。

「ぅえ!ちょっと、堺人?」

驚きと恥ずかしさであたふたする燐に堺人は微笑みながら控え室に向かった。

「ちょっと休憩しな。
直ぐにポールウェポンが始まっちゃうから僕が運んでいる間に魔力を調えて。」

堺人はまっすぐ前を向いたままそう言った。
燐は キョトン とした顔をしていたが頷いて目を瞑った。

また集中するために。

〜・〜・〜・〜

「あっ、目が覚めました?」

ぼやけた視界に聞き覚えのある声が聞こえた。
意識がしっかりとした時に起きがった。

「ええ。やはり勝てなかったわ。」

京子は苦笑して目の前にいる弓美子に言った。

京子の表情はさほど変わらずいつもの顔だが、弓美子には分かった。
分かってしまった。

「悔しかったんですね」

弓美子のこの言葉に ビクッ と体が僅かに動いた。
そんな京子に弓美子は クスッ と笑って京子を抱きしめた。

「かっこよかったですよ?
昔よりもはるかに高度な魔法であり試合でした。

相手もそうですけど、あなたも相当強くなりましたね。」

弓美子が慰めるように優しい声で囁いた。
それを耳元で聞いた京子は目から涙がこぼれ始めた。

「こんな姿、他の人には見せられない...悔しい...」

いつもの口調とは違い言葉と言葉が途切れてしまう。

それでも、そうですね と母のようになだめる弓美子に京子はふと思った。

(やっぱり、私には弓美子がいないとダメね)

〜・〜・〜・〜

夏希『戦闘不能!よって、鈴鐘選手の勝利!
いやーすごいですね!剣術二刀流での激しい闘いの後にも関わらず凄まじい攻撃!

......これにより、今日の試合全てが終了しました。

出口が混むと考えられますのでゆっくり移動をしてください。』

夏希の放送で、観客たちは順番に会場をあとにしていく。

「ふぅ...」

一息をついた燐はこちらに向かってきていた堺人が視界に入った。

ふっ と口が緩みかけた時だった...

『我が兄妹よ...
いつしか、1つになることが来る。

我が身体に舞い戻りたまえ...

その時は近いだろうよ兄妹...楽しみだな』

どこからかそんな声がした。
それは背後から聞こえた気がして燐は勢いよく後ろを振り向く。

しかし、誰もいなかった。

「どうしたんだ?」

堺人は燐の目の前に来て首を傾げていた。
燐は一瞬ボーとしていたが、すぐに首を横にふった。

「なんでもない。気のせいだったみたい...
疲れてるかも」

燐は苦笑いをし、堺人は納得した。
京子とあれだけ闘えばそうなるだろうと。

(さっきの声...懐かしい感じがしたけど...
なんだったんだろう...嫌な予感しかないけど)

何かが分かるまでは黙っていようと燐はそう決めた。

そして、泊まっている部屋に戻り食事やらお風呂やらが終わった瞬間爆睡する燐てまあった。

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