「ん、っ…痛っ…」

朝目が覚めると、ソファの上で寝てしまってたみたい。変な体勢で寝たせいか体が痛い。

ここんとこ、気を張っていたせいか、かなり疲れが溜まってるようだった。
専務だけの、疲れじゃないような気もするけど。

シャワーを浴びてから会社に向かった。

昨日と同じく、秘書室に寄る所から私の仕事は始まる。
後ろで何か言いたげな、乾志保の視線が、刺さってきた。

視線が痛い。
体も痛いのに…

関わることなく志保は、いつ氷室室長が来るか分からないから警戒しているようで、何も言おうとはしなかった。

いてもいなくても、文句があるなら言えばいいのに、ちゃんと言い返してあげるのに…

専務室に入り、昨日と同じ流れで仕事を始めていた。

「おはよう」

いつもより3倍増しで、専務が清々しくドアを開けて入ってきた。

ま、眩しい。
さすが、イケメンだ。

「おはようございます、専務。今日の予定からよろしいでしょうか」

立ち上がり、挨拶しながら専務の後を歩きながら、今日の予定の確認を行った。
専務は椅子に座ると、黙って聞いていた。

今日の予定を伝え、では、と自分のデスクに戻ろうとして、専務に呼び止められた。

「高瀬」

「はい」

「今週末土曜日の夜開けておいてくれ」

手帳に予定を書きながら応えていた。

「はい、土曜日です….、土曜日ですかっ?」

私の勢いに驚いた専務は、

「なんかあるのか?昨日アスランの柳井さんから、創立30周年のパーティに呼ばれてね。高瀬も、せっかくだから一度出ておいた方が、その場に慣れるだろうと思って誘ったんだが」

「…っ、そ、それは専務のお心遣いは非常に嬉しいんですが、そ、その日はちょ、ちょっと…」

「何か用事でもあるのか?」

「は、はぁ。いや、用事があるんです」

少し機嫌が悪くなった専務が、傍若無人な行動に出た。

なんでー!